労働組合の歴史

「組合員による組合員のための組合」

 人間は、ひとりだけでは生きていくことはできません。生まれた時から、お互いに助けあい、協力しあい、みんなが知恵と力を出しあって生きています。ひとりではなかなかできないことも、みんなが力を合わせれば可能性は大きく広がります。この助け合いの精神が労働組合の原点です。

 労働組合とは、社員として働くあなたが、同じように働く仲間とともに、「人間らしく物心両面で豊かな人生をおくれるように」自主的にそして民主的に団結して運動する組織です。 もともと労働者一人ひとりは経済的にも、また社会的にも弱いものです。 しかし、一つの束になる、すなわち団結することにより、強い力をもつことができます。ひとりでは実現不可能な目的を可能にしていくのが労働組合です。

(1)憲法と労働法

国民一般の経済的基本権として憲法第25条は「生存権」を保障しています。
「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
この生存権を労働者に当てはめたのが憲法第27条の規定で、「すべて国民は勤労の権利を有し義務を負う」[賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は法律でこれを定める」というものです。

(2)労働協約と就業規則

法律ではありませんが、労働法と同じように労働者を守るものとして労働協約があります。これは、労働条件や組合の地位 、人事や苦情処理などについて労使が話し合い、そこで決められたことを書面 で作成したものです。 なお、もしこの労働協約で定められている条件を下まわるような規則(就業規則等)を作成しても、それは効力を発揮しません。労働協約は非常に重要なものです。

(3)労使は信頼関係で

しかし、いくら法的に保護されているといっても、労使間の紛争は労使で自主的に解決するのが原則です。第三者が介入することを極力避ける制度になっているのです。このことからも労使関係は「力関係」だけで決まるということでなく、相互に「信頼関係」に立って安定した労使関係を育てていくことが大切なことだといえるでしょう。